
内戦や政権の弾圧、治安悪化により、シリアでは多くの人々が行方不明になっています。
家族や友人と突然連絡が取れなくなった場合、安否や所在を確認するのは容易ではありません。
本記事では、シリアの現状や人探しの難しさ、実際の調査事例、探偵による調査方法について解説します。
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シリアの現状は非常に複雑です。
2011年から続く内戦はアサド政権が崩壊するまで、13年以上にわたって続いていました。
この内戦は、当初の民主化運動から武力紛争へと発展し、さまざまな勢力が入り乱れる多層的な戦争となりました。
現在は、内戦の影響で690万人以上が国内避難民となり、550万人以上が国外に避難しています。
(参照:外務省)
アサド政権崩壊後も、武装組織の活動は続いています。
治安の回復には時間がかかる見通しです。
新たに設立された暫定政権は、すべての人々が参加できる政府を作ることを目指していますが、まだ多くの問題を抱えています。
長引く内戦の影響で、地域によって統治体制も治安レベルも大きく違うのが今の実情です。

シリアでの人探しには、他の国とはまったく違う難しさがあります。
現地の複雑な事情を理解して、慎重にアプローチしなければ成功は望めません。
シリア政府は、内戦地域を中心に数百の検問所を設置しています。
住民の移動を厳格に管理しているため、検問では身分証の提示が必須です。
出身地や家族の政治的な背景次第で通行を拒否されることもあります。
特に、18歳から42歳の男性は兵役逃れを疑われやすいため、移動がかなり制限されます。
(参照:欧州連合難民救済機関)
またシリアでは、計画どおりに調査を進めるのも困難です。
夜間外出禁止令が出ている地域が多いうえ、燃料不足による公共交通機関の運休も頻発しています。
現地で情報を集める際は、協力者の安全を確保しつつ、イレギュラーな事態にも臨機応変に対応する必要があります。
シリア政府は、拘束者や行方不明者に関する情報を厳しく統制しています。
拘束者の情報を求めても、政府からの回答はほとんど得られないことが多いです。
とくに、アサド政権下では、拘束された人々の行方や状況についての情報が秘匿されており、家族がアクセスできる情報は限られています。
(参照:讀賣新聞オンライン)
国連や国際赤十字などの支援組織も、シリア政府の許可なしには動けません。
許可が出たとしても、政府関係者の同行が条件になることがほとんどです。
経済制裁の影響で資金面の制約もあり、外国人記者の入国も非常に厳しく制限されています。
(参照:ALJAZEERA)

調査を始める前に、手持ちの情報をしっかり整理することが成功のカギになります。
わずかな手がかりでも、調査の方向性を決める重要な材料になる可能性があります。
依頼する前に、最後に連絡を取った日時や手段は明確にしておきましょう。
電話であれば、通話した時間や相手の声の様子、周りの音などが重要な手がかりになります。
緊急事態を示すような内容や、本人以外が代理で連絡してきた可能性も考慮する必要があります。
FacebookやInstagramなどの最終ログイン時刻や、投稿パターンの変化などは重要な判断材料です。
急なアカウント設定の変更、プロフィール写真の削除、いつもと違う投稿などは状況変化のサインかもしれません。
友人とのやり取りの変化、政治的な内容への反応なども重要な手がかりになる可能性があります。
シリア国内や近隣国に親戚や知人がいる場合、その連絡先や所在をまとめておきましょう。
現地の協力者の有無は、調査成功の大きなポイントです。
血縁関係の深さや政治的な立場、宗派の違いなどが、協力を得られるかに影響することもあります。
また、近所の人や職場の同僚、学校関係者など、日頃付き合いがあった人たちのリストも貴重な情報源になります。
協力者がいれば、これらの情報を集めやすくなるため、調査をスムーズに進められるでしょう。
シリア国内での滞在資格やビザの種類、有効期限は現在の法的地位を知る手がかりです。
近隣国に行ったことがあれば、そちらに避難している可能性も考えられます。
他国の国籍を持っているなら、その国の領事館に問い合わせるという選択肢もあります。
過去に政治活動やNGO参加、ジャーナリスト活動の経験があれば、政府の監視対象になっている可能性があります。

これまでにシリアでの人探し調査で取り扱った、実際のケースをいくつか紹介します。
ダマスカスの男子大学生が政治討論会に参加した翌日から、連絡が取れなくなったケースです。
ご家族からの依頼で現地の協力者を通じて調査を開始しましたが、その討論会が当局から「反体制活動」とみなされ、参加者の多くが逮捕されていました。
拘束者の名前は公開されないため、現地の人権弁護士を介して間接的に調べることになりました。
約8か月かけて、対象者が政治犯収容所にいることを確認。
時間はかかりましたが、ご家族に本人の状況を報告することができました。
アレッポ出身の5人家族が政府軍の作戦で避難を強いられ、行方がわからなくなったケースです。
最後に目撃された政府管理の避難所から追跡を始め、複数の施設を転々としていた経路を突き止めました。
宗教指導者の仲介でダマスカス近郊のキャンプにいることがわかり、約5か月で全員の無事を確認できました。
国際NGOで教育支援をしていた日本人女性が北部での視察中に行方不明になったケースです。
現地スタッフと一緒に拉致された可能性が高く、部族長や宗教指導者を通じた交渉が必要でした。
約3か月の調査で国境近くの村にいることを突き止め、現地の有力者による交渉で約4か月後に解放されました。

当事務所は、中東地域での調査経験と現地ネットワークを持っています。
特殊な環境でも、効率よく調査を進められる点が強みです。
当事務所は、世界探偵協会(WAD)と国際調査機関連盟(CII)の正式メンバーです。
シリア近郊のトルコやヨルダン、レバノンのパートナーと連携し、シリアでの人探し調査をスムーズに進めることが可能です。
現地の文化を理解した調査員が、政府関係者から宗教指導者、NGO関係者まで幅広いネットワークを活用して情報を集めます。
現地の慣習に詳しい調査員による聞き込み調査と、長年築いてきた信頼関係に基づく協力者ネットワークが強みです。
公的記録と非公式情報の照合、SNS等の調査、衛星画像を使った移動経路の推定など、さまざまな角度からアプローチします。
調査の成功率を上げるには、現在入手している情報を照らし合わせ、仮説を立てる必要があります。
些細な情報が重要な手がかりになることもあるため、知っている情報はできる限り共有してください。
また、シリアでの調査は時間がかかる場合がほとんどです。
政治状況によっては、調査を一時中断する場合があります。
あらかじめご了承ください。

シリアでの人探し調査を検討する際、多くの方が「どのように依頼すればいいのか」「期間はどのくらいかかるのか」といった疑問を抱かれます。
ここでは、実際に寄せられることの多いご質問をまとめ、それぞれわかりやすく解説していきます。
A.日本からの依頼にも対応しています。
定期的な報告書で詳しい調査状況をお伝えし、重要な情報があればすぐに連絡します。
A.名前だけでも調査はできます。
年齢、職業、出身地、見た目の特徴などがわかれば、効率が大幅に上がります。
写真があれば、現地での聞き込みもスムーズに進められます。
A.情報の量や現地情勢で大きく変わるため、状況により期間が変わります。
定期的に報告書をお送りし、重要な情報がわかったらすぐにお知らせします。

執筆者 / 吉田
人探し調査員歴8年。自身の関係者が失踪した辛い経験を持つ。 独学で多くの捜索方法とカウンセリングを学び実践。 豊富な実践経験から探偵の門を叩き、捜索、カウンセリングのプロとして活躍中。 監修者・執筆者一覧へ
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