認知症を患った高齢者が行方不明となる事件は多く、ときには亡くなった状態で見つかることも珍しくありません。
そして亡くなった人の約7割が、行方不明となった場所から5キロ圏内と近距離で見つかっています。
認知症患者が行方不明となった場合、GPSやドローンなどを活用して早期発見をめざしますが、人探しは簡単ではありません。
今回は、認知症の行方不明者の捜索について、探偵目線で解説します。
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去年、認知症やその疑いがあり、行方不明になったあと、亡くなった状態で見つかった人の7割以上が、行方不明になった場所から5キロ圏内で死亡していたことが警察庁のまとめでわかりました。
警察庁によりますと、認知症やその疑いがあり、行方不明になったとして、去年、全国の警察に届け出があったのはのべ1万8121人で、前の年よりも918人減りました。
都道府県別では、大阪府が2086人で最も多く、次いで神奈川県が1907人、埼玉県が1812人、愛知県が1476人、兵庫県が1454人などとなっています。
届け出のあった1万8121人のうち、93%にあたる1万6877人は去年のうちに生存が確認されましたが、491人は亡くなった状態で見つかりました。
引用元:NHK|認知症 去年の行方不明者 死亡の7割以上が5キロ圏内 警察庁(2025年06月05日)
認知症患者はいきなり徘徊が始まることもあるため、日頃から注意が必要です。
ここでは、認知症の行方不明者の捜索が難しいと言われている理由を解説します。
認知症患者は移動する目的がなく、あてもなく徘徊してしまうことが多いため、捜索が難しくなります。
認知症の人は直前の出来事を忘れてしまうため、「なぜ家を出たのか」「どこに行こうとしていたのか」を自分で理解し続けるのは困難です。
もし誰かに声を掛けられても、自分の名前や家の場所も思い出せず、そのまま歩き続けてしまうということもあるでしょう。
自分が認知症であることや、迷子となっていることに対する自覚がないのも、捜索を妨げる大きな要因です。
自分から助けを求める行動ができないため、行方不明の状態が長く続いてしまいます。
認知症患者の場合、日々のルーティンもわからなくなり、普段散歩などで通る道でも迷子になる可能性があります。
前頭葉障害によって自己判断が難しい状態にあり、思い付きで行動することも多いです。
このため、本人の散歩ルートやお気に入りの場所を捜索しているのに見つからない、ということは珍しくありません。
また、状況を理解できず、危険な場所に立ち入ってしまうこともあり、「なぜこんなところに来たのだろう」と思うようなところで発見されることもあります。
認知症患者は行方不明の期間が長く続くと、ケガや事故、体調悪化などのリスクが高まります。
本人の安全を確保するためにも、認知症患者が行方不明となったときの対策を確認しておきましょう。
認知症を患う人が行方不明になったときには、早い段階で警察に通報することが大事です。
通報する際は、本人の写真や特徴、行方不明となったときの日次や状況などを詳しく伝えます。
警察に通報すると同時に、近隣住民にも協力を呼びかけましょう。
行方不明から時間が経つと行動範囲が広くなり、捜索が困難となります。
「迷惑をかけるかも」という心配はせず、いなくなった段階で早めに通報することが大切です。
認知症の症状が酷く、徘徊が心配な場合は、普段からGPSや見守りタグを着けておくと安心です。
実際に、GPSや見守りタグを活用して、早期発見につながった例は多くあります。
GPSの機能は製品によってさまざまで、玄関に設置した親機と連動して外出時に通知されるものや、SOSボタンがついているものなどがあります。
本人の状況を考慮して、最適な製品を選びましょう。
GPSは屋外や地下で位置がズレることもあるため、なるべく精度が高いものを選ぶとよいでしょう。
認知症患者は、記憶障害や目的意識の低下により、普段は行かない場所へ進んでいることもあります。
行きつけのお店や散歩ルートを捜しても見つからない場合は、目撃情報のあった場所とは反対方面を捜したり、普段行かない場所に行ってみたりと、捜索範囲を広げることもポイントです。
認知症の高齢者は、脱水症状に陥りやすく、水分補給のために水辺へ向かうことが多いと言われています。
近くに川や用水路がある場合は、重点的に捜すとよいでしょう。
早期に動くことが大切といっても、警察はなかなか動き出すことができない場合も。
しかし、探偵であれば迅速に動くことができます。
探偵ならではのコネクションと、人探しの豊富な経験値で、行方不明者を探し出します。
場合によっては、警察との連携を図ることも可能です。
大切な人の命を守るために、一刻も早く探し出しましょう。
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執筆者 / 吉田
人探し調査員歴8年。自身の関係者が失踪した辛い経験を持つ。 独学で多くの捜索方法とカウンセリングを学び実践。 豊富な実践経験から探偵の門を叩き、捜索、カウンセリングのプロとして活躍中。 監修者・執筆者一覧へ
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